コウノトリ支局が産声
コウノトリ支局が産声をあげました。
40年近く前、くちばしが折れた1羽のコウノトリが飛来した越前市白山地区にある古民家をお借りしてスタートした支局。囲炉裏があって、田の字形に仕切られた広間がある、とっても趣のある建物です。
なんと、記者が住み込みます。集落の一員として、地域の中にどっぷり入り込んでの、地域に超密着型の取材活動の拠点です。
な、な、なんと、記者が田んぼをします。コウノトリのえさとなるカエルやドジョウがたくさんすめる、生きものに優しい無農薬無化学肥料の米作りをしている地元の農業者有志「コウノトリ呼び戻す農法部会」の皆さんのご指導を受けながら、支局員が田んぼをします。そして、それをルポします。
壮大かつローカルなプロジェクトがスタートしました。再びコウノトリが舞う豊かな自然環境を目指す越前市白山・坂口地区の方々を応援する「みらい・つなぐ・ふくい」キャンペーンの柱が動き出しました。
冷たい雨が降りしきる中での支局開設式。田んぼ初体験、自然とは縁遠い生活を送ってきた34歳の(直)こと私は、トップバッターとして支局に住み込む少しの期待と大きな不安を抱えたままの開設式でした。
でも!そんな不安を、支局での「初夜」の不安を打ち消してくれたのが、コウノトリ呼び戻す農法部会の方々が支局で催してくれた開設祝いの宴会でした。
囲炉裏を囲んで車座になっての宴会。「初体験の田んぼ仕事、つらいこともあるかもしれんが、一緒にがんばろうな」「無理せずに楽しんで仕事してや」-。あったかい言葉をうけ、うれしいやら恐縮するやら。囲炉裏の炎のぬくもりとあいまって、硬い雪が少しずつとけるように、不安が和らいできました。
第三者として書く記事じゃなく、自分が体験して書く記事。田んぼ作りの大変さや稲の成長を見て感じるであろう喜び、収穫のときに味わえるであろう感動を、ストレートにルポします。
ある意味、記者としてじゃなく、農業の「新人」ながらも農法部会のれっきとした一員として田んぼにがんばります。わからないことは何度も聞いて、理解できるまで勉強します。体力はないけれど、倒れない程度に全力で体を動かし、汗をかくつもりです。体力はないけれど、根性と集中力には自信あり。農法部会のみなさん、ご迷惑をおかけしますが、ご指導よろしくお願いします。記事できっと恩返しします。
それと、支局開設と、そこに住み込む私をはじめとする記者を快く受け入れてくれた地元の曽原集落の皆さん。お騒がせしますが、なにとぞよろしくお願いします。集落の行事には積極的に参加します。
支局開設翌日の春恒例「用水一斉清掃」では、重たい泥をスコップで取り除きながら「腰が痛・・・」とつぶやいていた私を見て、「無理せんとな」「シップ薬を貸そか」と声をかけてくれた集落の皆さん、どうもありがとうございました。春の日差しでぬるんだ水以上に、あったかい言葉でした。
ようし、がんばるぞ。
地元の皆さん、そして地元以外の皆さん。福井新聞の、そして支局駐在記者の奮闘に注目してください。新しい形の記事、新しい形の環境キャンペーンにご期待ください。肩ひじ張らない、それでいて熱いハートのルポを提供します!
さて、明日の農作業に向け、そろそろ床につくことにします。大きな支局の建物は夜はちょっぴり怖いけれど、窓の外でカエルが鳴いているのを聞けば大丈夫。朝はきっとウグイスのさえずりで目を覚ますことでしょう。
では、おやすみなさい。(直)
